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管 洋志

(スガ ヒロシ)

経歴

  • 1945年 博多生まれ

  • 博多祇園山笠で育ち、”山笠のぼせ”の男達に囲まれ、人間のタテ社会を知る。
    大学時代、幇間、故 悠玄亭玉介師匠の運転手をしながら、芸伎界に働く、幇間と芸者そして女将さんの人間模様をドキュメント。日本大学 芸術学部 写真学科の卒業制作として発表。

  • 1969年から始まったアジアへの旅で、各地で出会った、アジア人の強い生活力と生き様に触れ、”人間写真”を撮ることを目指す。

  • 27歳のとき、終わることのない人間への興味から、”人間の生き様”を追及しようと、日本全国60ヶ所以上のストリップ劇場の楽屋を訪問し、ライトマンをやりながら、踊り子の舞台裏を撮り、「花のヴィーナス86人衆」を発表。

  • アジアと日本の往復運動をしているうちに、共通するコスモロジーの存在に魅かれ、写真表現をもって、日本とアジアの神意識、自然感をベースに撮影、発表し続けている。

展覧会、出版物のご紹介

【受賞】
1977年・・・第8回  講談社出版文化賞写真賞「走るワセダ」(週刊現代)
1984年・・・第15回 講談社出版文化賞写真賞「戦火くすぶるアンコールワット」(ペントハウス)
1987年・・・第6回  土門拳賞「バリ・超夢幻界」(旺文社)
1998年・・・第14回 東川賞国内作家賞「ミャンマー黄金」(東方出版)

【写真集】
1983年・・・「魔界・天界・不思議界・バリ」(講談社) 「博多祇園山笠」(講談社)
1986年・・・「バリ・超夢幻界」(旺文社)
1987年・・・「アジア夢幻行」(玄光社)
1991年・・・「大日光」(講談社)
1992年・・・「バリ魅惑」(玄光社)
1993年・・・「友達たち」(平凡社)
1995年・・・「博多祇園山笠」(海鳥社)
1996年・・・「越南彩々」(平河出版社)
1997年・・・「ミャンマー黄金」(東方出版)
2000年・・・「雲南の水都・麓江」(東方出版) 「まかない料理」(廣済堂)
2001年・・・「バリ島大百科」(TBSブリタニカ)
2002年・・・「メコン4525km」(実業之日本社)
2004年・・・「京の片泊まり」(双葉社)
2007年・・・「奄美」-シマに生きて-(新潮社)

メッセージ

【バリから東照宮へ】

赤道直下。南緯4度にあるバリ島。
1979年以来、この小さな島が巻き起す
不思議な魅力の渦の中に
僕は吸い込まれていった。
初めは、人々の生活をカメラに収めようと
村々を訪ね歩いた。
そして、人間として通らなければならない道、
つまり、バリ的通過儀礼をつぶさに、
正確にとらえることに夢中になった。
人間の死から生、生から死に至る世界を、
「魔界・天界・不思議界・バリ」(講談社刊)
で結実させた。
その後、バリの人々が持つ、いや人間が持つ、
摩訶不思議な正気と狂気の世界を、
写真で表現しなければ、この取材を終える
わけにはいかないと、
再びバリ通いが始まった。
プラ(神社)で行なわれる、数々の宗教儀式に
参列し、
深夜くりひろげられる、人間が神に近づこう
とする時の狂気を見とどけ、
「バリ・超夢幻界」(旺文社刊)で完結した。
バリ取材を終え、
20年ぶりに日光東照宮を訪れた時、
おびただしい数の聖獣、
強烈な色彩、それを囲む優しい自然に、
僕は、軽い目まいさえ感じ、
同時に、頭の中にバリの狂気が浮かんだ。
何故、ここにバリがあるんだろう・・・・・・。
東照宮とバリの間に、何かがある。
細い1本の糸を、たんねんにたぐりよせる
作業が始まった。
日本の神道の生い立ち、神々の存在のしかた、
祀りかた、照らし合わせる毎に、
次第に、一本の糸が二本、三本と縒り合わされ
心強い“太さ”となって、撮影に拍車がかかった。
通いつめた結果、
深夜の東照宮内に入ることさえ許された。
闇の中で、甦える神をとりまく聖獣たち。
彼らのたてる寝息にも似た自然界の息づかいが、
かすかな音をたてて近づいて来た。
境内をうっすらと雪が覆い始めた時、
言葉にならぬほど、美しい東照宮を見た。
雨の日、霧の日、すべてのものに生気が
吹き込まれていった。
昭和天皇崩御の後、「大日光」(講談社刊)が
完成した。
バリを横糸に、東照宮を縦糸に織りなす世界。
これを織り上げた時、
バリ・ヒンドウーと神道。アジアと日本。
共通のカミ意識、数々のなぞが、
ゆっくりと、解けてゆくように思った。

【管 洋志】

作品


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